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2025年 9月 10日 志望校を分析する。でも具体的にどうやって??【数学/出題分野研究編】
ここ何年も受験生と接してきて、かなりこの質問は受けてきました。
「過去問演習といっても、ただ解くだけになって無意味になってしまっている気がします。過去問を通じた志望校分析というのは具体的には何をやればよいのでしょうか?」
普段であれば、「それを自分で考えられるようにならないと受からないよ」、と言いたいところです。ただ、このブログに辿りつくような東進生には、自分から情報を収集しようという意思があり普段から相当アンテナを張って勉強に取り組まれてるかと思うので、そんな生徒たちの参考になればなと思い、伝えます。
過去問は夏に解いて終わり、ではありません。秋以降入試直前にかけて、必要に応じて何周もしながら、ときには遡りながら、志望校の解像度をどんどん上げていけるような学習を進めましょう。
全ての科目についてブログにまとめようとすると膨大な量になってしまうので、今回は数学に絞ってお伝えします。
数学は、はっきりいって簡単には伸びにくいです。
個人的には、高3生にとってここから伸びやすい科目を順番に並べるとすると、
社会>理科>古文・漢文>英語>数学>現代文
かなと思います。
数学は他科目と比べても、今までの積み重ねがものを言う科目ではありますが、今までの積み重ねが点数になるかどうかはあと半年の勉強にかかっているとも言えます。
数学と言う科目の分析の重要性は、数学が得意かどうかには関係ありません。誰にとっても数学は重要です。
今まで数学に対して真摯に取り組み地頭を鍛えてきたとしても、それが本番の点数になるかどうかはこれからの対策次第であり、正しい対策は正しい分析の延長線上にあります。
逆に、数学から今まで逃げてきた人も、どの入試でも基本的には数学の配点は大きいので、否が応でもあと半年は向き合わざるを得ません。数学が得意なライバルと大きな点差をつけられないよう、弱者の兵法ではないですが、正しく分析した上でいかに効率的に点数を搔き集められるか重要になります。実力に加えて、戦略で数学に立ち向かうことが必要になってきます。
過去問演習を通じて、本当にたくさんの様々な情報を得られます。ざっとあげてみました。これ以外にもまだまだありますね。
傾向① 出題分野
傾向➁ 出題頻度
傾向③ 典型問題か否か
傾向④ 記述が必要かどうか
傾向⑤ 1問あたりに割ける時間、その時間感覚
傾向➅ 問題ごとの難易度差
傾向➆ 解答欄の大きさ
傾向⑧ 小問同士の繋がり
傾向⑨ 証明問題の有無
傾向⑩ 計算量
傾向⑪ 問題文の長さ
傾向⑫ 傾向の変遷
傾向⑬ 配点
傾向⑭ 問題のタイプ→実験を必要とするのか、発想力が大切なのか、誘導を上手く活用することが大切なのか
様々あげましたが、「木を見て森を見ず」にはならないように気をつけるべきです。その大学の教授がどのような生徒を求めているのかを考えましょう。大学のホームページにもヒントがあるはずです。それを考えられると、それぞれの傾向の背後にあるものが見えてきます。
傾向➀~⑭の中でも、①出題分野は最重要項目のうちの一つですよね。今回のブログの内容はここに焦点を当てます。
どのテーマから出題されるのか?
まずは徹底的に分解。難しい問題ほど、一つの分野ではなく、様々な分野の問題が組み合わさって出題されるもの。
典型問題の組み合わせまで分解し、各問題ごとに、どの分野の能力が問われているかを考えてみましょう。
たとえるなら、スポーツのゲーム。選手の能力が項目ごとに数値になっていますよね?それと同じように、それぞれの問題について、問われている分野を3段階で評価するイメージです。
分野の枠組みは教科書通りでさほど問題はないと思います。
例えば、
・「図形と方程式」【3】
・「三角関数」【2】
・「二次関数(二次不等式)」【1】
・「ベクトル」【2】
・「微分」【2】
「」内の枠組みの能力が問われている程度を、【】で3段階で表しています。分解してみると、1問でさまざまな能力が問われていたことに気づきます。それを5年分、10年分、まとめて表にしてみると、きっと発見があるはずです。分野を分析するときは、主観的(感覚的)ではなくある程度客観的になってください。
これはただの一例ですが、これの過程で、数学の問題を分解する考え方を養います。
難しい問題程、パッと見では解けません。そこで手を動かして、頭を動かして、見たことのある問題に分解する過程で差がつきます。そこに配点がつくものです。(もちろん分解したものを最後まで解き切って答えを出せるかどうか、も同様に重要であり差がつきます)
ある程度のところで数学の点数が伸び悩む人は、この考え方が弱いのかなと思うことが多々あります。復習の際は、その問題の解き方を見直して終わってはいけません。他の問題に応用が利かないからです。復習の方法まで話すとあと10000文字はかかるので、今回はここで端折ります。
結局のところ、自分で試行錯誤して辿りついた復習方法でないと点数がのびることはありません。解法暗記で乗り切れるほど、みなさんの第一志望校は甘くないはずです。あとは自分で考えてみて下さい。
ぜひ考えて考え抜いて、最後まで頭も手も動かし続けて下さい。
今回のテーマは”分析”でした。基本的に勉強というのは、分析→計画→実行→分析→・・・というサイクルを回すことです。(PDCAサイクルみたいなものです)
分析→計画→実行が正しく出来れば点数は絶対に上がります。どうしても点数が伸びないという人は、この3つのうちどこかにエラーが起こっているんだと思います。
正しく分析が出来ていないと的外れな勉強をすることになるし、たとえ分析ができたとしても、正しい計画が出来ていないと効率が悪くなります。また、正しく分析をして、ベストな計画を立てても、実行しないと何の意味もありません。
過去の受験生が言っていたのですが、時間というのはボーっと過ごしているとあっという間に過ぎてしいつまにか試験前日になっているようなものなので、1日を大切に、常に考えて試行錯誤を最後まで続けるしかないそうです。本当にその通りだと思います。